2021年4月21日 水曜日

ワクチンパスポートがやってくる!(東京スポーツ掲載記事・全文)


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「新型コロナウィルスによる対応策によって、全く新しい世界がやってくる。イギリスのトニー・ブレア首相は言う。国際航空運送協会(IATA)は、今月から導入を予定している「トラベルパス」を着々と準備中だ。

今後乗客は飛行機に乗る際に、PCR検査結果が陰性である証明と、新型コロナワクチン摂取済みである事を電子データで見せなければならなくなる。平時なら人々の健康状態は重要な個人情報としてプライバシー保護問題になる上、電子データにはハッキングリスクも伴うが、世界的感染症による顧客激減で深刻な打撃を受けている航空業界は、早急に人々の安全な移動を再開させることが最優先だ。

デジタルパスポートというこの新しい制度の対象範囲を、飛行機移動だけでなく日常生活にまで拡げる動きもある。フランスは、スポーツや文化施設、レストランやバーへの入店時にデジタルパスポート提示させる事について検討を始め、入国者に着用させる「フリーダムブレスレット」という追跡装置を展開中のイスラエルでは、ワクチン接種を拒否すると移動のみならず公共サービスやビジネスへのアクセスも止められてしまう。アメリカではバイデン大統領がデジタルパスポート実現の可能性について評価を始める大統領令に署名、イギリスでは入国者に一週間の隔離か1万ポンド(約150万円)の罰金を課し、ベルギーは近々EU全体にデジタルパスポート導入法案を提出する事を発表した。

だがこうした動きが、ワクチン自体への検証よりもずっと早いスピードで進んでいる事には注意が必要だろう。厚労省も認めるように、コロナウィルスのように変異しやすいRNAウィルスに、現在有効なワクチンは存在しない(メーカーが公表する有効率90%という数字には疑問の声が多い)。WHOはワクチンに感染防止効果は死亡事例や副反応、妊婦へのリスクも報告されており、長期的影響は未知数だ。イスラエルではウィルスそのものよりもワクチン接種後の死亡率が高齢者で40倍、若者で260倍に跳ね上がり、ワクチン接種率世界第二位のアラブ首長国連邦では、ワクチン接種開始後2ヶ月で死者数が過去最大に増加した。豪政府は接種後に死亡者が出た事で、急遽ワクチン接種の緊急停止措置に踏み切っている。日本政府は拙速に外堀を埋めず、予防原則に沿って慎重に進めて欲しい。

出典:東京スポーツ・マンデー激論(2021年3月)