2014年11月7日 金曜日

「香港デモの先にある未来」

「香港デモの先にある未来」

  ジャーナリスト 堤 未果  二〇一七年に予定されている香港行政長官選挙制度改革への反発をきっかけに始まった, 香港の抗議デモ「オキュパイ・セントラル」。   中心核である学生組織「学民思潮」の代表で十七歳のジョシュア・ウォンは、「傘の世代」と呼ばれるポスト天安門事件世代の一人だ。15歳で同組織を立ち上げたウォンは、今回九月に香港内の大学で授業ボイコットを始め、各地のストライキを指導、最終的に金融街での占拠行動へとつなげた。   ウォンは学生達に呼びかける。「この国の未来は君たちの手の中にある」と。香港の未来を、中国本土のような縁故主義と腐敗に染まらせてはならないと。    ウォンの呼びかけに反応する学生や労働者達の姿は、一九八九年の天安門事件の背景にあった、もう一つの中国を思わせる。...

2014年11月7日 金曜日

「警察権限拡大で1984化するアメリカ」

「警察権限拡大で1984化するアメリカ」

ジャーナリスト  堤 未果   2014年8月9日。 アメリカミズーリ州セントルイス郡ファーガソンで、十八歳の黒人少年マイケル・ブラウンが、警官に射殺される事件が起きた。 同郡は人口わずか二万一千人のうち六割が黒人、地元警察の九割は白人が占めている。米国で予算不足に苦しむ自治体の多くは、交通違反切符の罰金に頼るケースが少なくない。 歪んだ経済的動機を根深い人種差別が後押しし、黒人住民への職務質問が圧倒的に多いのだ。 日頃からそうした警察のやり方に不満をためていた住民の怒りは、加害者の白人警官が無罪になった事をきっかけに爆発した。...

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